今注目されている外国企業の日本進出方法EORモデルとは

今注目されている外国企業の日本進出方法があります。それはEOR(Employer Of Record)です。雇用代行と訳されております。JETROの「会社設立の手続き」には「駐在員事務所」、「支店」、「子会社」が紹介されていますが、新しい概念としてのEORが現在注目されています。

世界にはEORプロバイダー会社が多数あり、EOR(雇用代行)と検索すると、日本にいながら、海外の人材をEORプロバイダーに雇用して貰った上で活用する情報が沢山得られます。

日本の企業が海外の人材を使えるなら、海外の企業が日本の人材を使う事ができて良い筈です。実際EORで雇用されている日本人は日本に500~600人程いるとの情報もあります。

2022年2月13日の日本経済新聞に以下の記事がありました。
「「エンプロイヤー・オブ・レコード(記録上の雇用主)」の略。拠点のない国での雇用代行のほか、グローバルの人事情報の管理支援などを手掛ける事業者もある。IT技術者に加え、会計や法律などの専門職や、多言語が堪能な人材などにもEORの活用は広がっている。事業者同士の連携やM&A(合併・買収)も起きている。

大手の米ディール(DEEL)によると、国境を越えるテレワーカーが多いのはフィリピンやインド、ブラジルで、比較的賃金が安く英語でのコミュニケーションが容易な国が並ぶ。報酬は各国通貨に加え、暗号資産(仮想通貨)が活用されるケースも少なくないという。賃金の支払い代行を主力とするフィンテック企業の参入も増えている。」

現在海外企業から直接業務を請け負っていらっしゃる方も大勢いらっしゃると思います。独立事業主としては当然の業務形態なのですが、日本で業務を請け負う個人事業主の方々は当然の事ながら、健康保険、国民年金等様々な社会保険に関しては自己解決されている筈です。一般のサラリーマンとは大きな違いです。サラリーマンは雇用されており、健康保険も、厚生年金、源泉徴収、就業管理は全て会社側の責任です。

EORは働く方々に安心感に与えると同時に、海外の方が日本人をかなり自由に活用できる方法です。独立事業主のコンサルタントではなく、必要な能力を持つ日本人をEORプロバイダーが雇用した上で、海外の企業が自分としてやって欲しい業務を日本人にお願いする事になります。

EORの仕組みでは、本人が活動する国(例えば日本で活動する日本人)に於いてはEORプロバイダーに雇われてはいますが、外国企業とは飽く迄個人として活動する事になりますので、売上の計上や契約の締結は本人は出来ず、外国企業自体が行うことになります。

EORの活用方法としては:

  • 日本で獲得が難しいエンジニアや多言語話者を海外在住者でまかなう
  • 海外からの事業撤退時にカスタマーサポートやバックオフィス人員のみを残して法人を解散してしまう
  • 配偶者の海外転勤に伴って退職する従業員を雇用継続する(女性活躍推進)

是非EORにご注目下さい。

中小企業診断士
菱田 州男

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