前回紹介した「セールスレップ」を、もう少し深堀して説明します。

日本から米国へ輸出する際の販売代理店にセールスレップ(Sales Rep)というものがあります。正式にはSales Representativeと言います。Manufacturers’ Representativeとも呼びます。
他に、販売代理店はディストリビュータというものがあります。ここでは、主にセールスレップ(以下、レップ)について話をしたいと思います。
1) 会社の形態
レップの会社は家族経営の個人事業や共同経営、法人などがあります。
2) ディストリビュータとレップの違い
ディストリビュータとレップの違いは商流にあります。一般にディストリビュータは製品をメーカーから買取り、在庫を持ち、ユーザーに販売します。レップは基本的に在庫を持たず、商流に入らず、成功報酬(口銭)で仕事の仲介を行います。アフターセールスのために部品等の在庫をもつレップもあります。売上も口銭になっており、メーカーとユーザーの契約金額ではありません。
3) レップを起用する理由
①米国は国土が広いため、全土をカバーする自社の営業拠点や営業要員を持つと固定費が大きくなるので、セールスレップを採用することがあります。セールスレップは比較的小規模で1~3州ほどをテリトリーとしています。各州によって法律や商習慣が異なるため、その州固有のビジネスに精通したセールスレップを使用することが多いことが特徴です。
②レップは地域の業界活動や地域スポーツクラブ、文化的クラブ活動など地域に密着した貢献活動も行っている場合が多く、地域では評価が高い人物が多く、また、広い人脈を持っています。
③レップはプロジェクトの発掘から契約交渉までの営業活動を代行します。インフラ関係のプロジェクトは数年かかりますが、根気よく案件進捗をフォローしてくれます。
④レップはPE(Professional Engineer、日本でいう技術士に相当)の資格を持つなど、技術知識が高い担当者も多く、メーカーの代理として技術説明や交渉など、メーカーの製品の売り込み活動を行ってくれます。
4) レップの権限
日本や他地域では販売契約を仲介する業者をエージェント(Agent)という呼び方をする場合もありますが、Agentは代理権や契約締結権がある場合があります。セールスレップ契約には代理権や契約締結権がないことが記載されます。
5) レップへの支援、管理
①同行営業やワークショップなどを開催し、各REP担当者への製品や技術、アフターサービスに関する教育を実施します。
②販売に必要なカタログ、製品説明書、マニュアルなども準備し、WEBを通じて随時入手できるようにします。
③レップも担当地域の展示会やコンファレンスに出展する場合があります。自社から説明要員を派遣し製品・技術説明の支援などを行い、来場したユーザーにメーカーとレップの協力関係の強さを示してあげると大きなレップへの支援になります。
④年度初めや年度中間にはメーカーが全米レップミーティングを開催し、優秀なレップの表彰などを行い、業績をたたえます。それがレップのモチベーションとなり次への活力となります。メーカーからもらった表彰状やカップなどはレップが他の仕事を獲得するための大きなツールともなります。
6) レップの活用
レップの長所は、地域に特化し、専門知識もあり、きめ細かい営業活動を展開することで、質の高い情報を多く提供することです。
短所は、ターゲット地区が多くなるとレップの数も多くなり、教育や管理が煩雑になります。また、日本のメーカーは現地顧客と直接契約になりますので新規顧客への信用調査や契約条件の交渉も多くなります。物流に絡まないため、内陸輸送は顧客に依頼するか、自社で手配する必要があります。
こういう特徴を踏まえたうえで、自社の米国展開にはレップがよいかディストリビュータがよいかを判断することになります。現地経験の豊かな専門家と相談しながら米国販売を検討されるのが良いと思います。
高取宏行
以上