英文契約書

第1回 海外の交渉相手から英文契約書の案が送られてきたら…。

ディストリビューターの交渉をしている海外の機械輸入商社から、ディストリビューターシップアグリーメントの案を送ってきた場合、どこを確認したらよいでしょうか?

結論を先に言うと、最初にチェックするのは双方の役割と、義務の部分です。
自社はどういう役割や義務を負うのか、相手にどんなことを求めるか、こちらにとって受け入れられない義務や実行が困難なもの、不利な条項が入っていないかどうかなどです。

英文契約書と一口に言ってもLOI, MOU, Agreement、Contractなどの表題が付けられています。どのような表題がついていても、内容が実質的に双方を法的に拘束するものであるかのチェックが重要です。

典型的な流れ

通常は本格的な契約交渉に入る前に、交渉をしたいと思う側がLOI(そういうタイトルがついていない場合もありますが)を相手側に出して、例えば「貴社の製品の取扱に興味がある」等の打診を行うところから交渉が始まります。 

この相手であれば交渉してもよいと思う場合は、最初にNon-Disclosure Agreementを締結します。
ここでは秘密情報の定義、秘密保持義務を負う者などを定めます。

こうして、Distributor候補は自社の販売網情報などを、日本の事業者は製品開発計画などの情報を相手に開示して、交渉を進めてゆくことになります。
そして、ある程度の合意がなされたら、途中での合意点を記したMOUを取り交わします。

もちろん上記は典型的な流れですので、個別な状況では異なる形となり得ますが、早い段階で相手の信用状況を確認することが必要です。

次回は、取引先候補の信用調査についてご説明します。

記:三上彰久

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